一応、設定としては両作品ともに各ヒロイン達の個別ルートを全て経験
していながらも、特定のヒロインと恋人関係になっていない、パラレル
ワールドと考えた方がいいですね。じゃないと色々と整合性が取れなく
なってきますので。さて、まずは 2 つミニシナリオの 1 つ。五月の雪に
ついて書きます。両作品の各ヒロイン達のお祝い事が重なり、どうせなら
派手にパーティーでもしようかと言った感じのノリで両作品の主人公と
各ヒロイン達が賑やかに交流する事になった矢先に、記憶喪失の少女が
現れてって言った感じで話が進みます。このシナリオのメインヒロインの
雪が他の濃過ぎるヒロイン達によって印象が薄くなるのは、もう仕方ない
です。個人的には雪の件の話よりも両作品の各ヒロイン達の交流の方が
印象的でしたね。特に印象に残ったのは七瀬の薫に対する感情ですね。
七瀬自身も薫は真面目で優しい子と理解していても、嫌いと言った後の
「あの子にはきっとわからない」「あたしは誰にも……救われたくなんて
ないから」これは主人公もそうですけど、私も何も言えなかったですね。
ある意味で薫の性格を的確に見抜いていますから。薫の信念は、簡単に
折れることはなく、祓う事で多くの人が救われる。だからこそ、自分が
嫌われても、辛くても祓う事が正しいと考えてる彼女を、七瀬が好きに
なれるわけはないですから。五月の雪はこれぐらいにして、次は、もう
一本のミニシナリオ。猫達の午後について書きます。こちらでは、なんと
とらいあんぐるハート 2 でそこそこ出ていた雄猫の次郎が主人公で雌猫の
小虎がヒロインと言うある意味で正気を疑う配役で話が進みます。ですが
これがまた短いながらも
素晴らしい シナリオだったんですよね。先代の
忘れ形見の小虎を立派なボス猫へと育て上げる。そんな思いを持ちながら
日々を過ごしていた雄猫の次郎とそんな次郎を慕う雌猫の小虎。二匹は
とあるアクシデントに巻き込まれ人の姿になってしまう所から、今回の
シナリオが始まります。自らの事情と先代への恩から、立派なボス猫と
なってそれに相応しい相手と一緒になって欲しいと願う次郎。そんな事
よりも次郎と一緒にいたい小虎。、次郎が自ら「死」と向き合い「命」を
諦めようとした時にかつて先代に救われたように、先代の忘れ形見である
小虎がその身をかけて、次郎に再び「命」のきっかけを与えた事により
二匹の交わらなかった想いはここに結ばれる訳です。それでも、次郎は
「命」を生み出せないはずだったんですが、リスティ曰く
奇跡 によって
それも乗り越えハッピーエンドで終わる。そんなシナリオでした。もう
次郎の過去話辺りからずっと胸が痛かったです。自ら「命」を生み出せ
ない自分よりも、もっと相応しい相手がいるはず。そう思って自らの
「命」を諦めようとした次郎。小虎を本当に大切に想っているからこそ
そう言った考えが出来る訳で。最後は幸せになってくれて良かったです。
不満があるとすれば、リスティが
奇跡 と言ったあの場面。確かに、物語
としては奇跡の方が美しいのかもしれませんが、私は
愛の力 と言って
欲しかったですね。何しろ二匹の
愛の力 で掴み取った結末ですので