とらいあんぐるハート ラブラブおもちゃ箱



初めに
私は2002年発売の とらいあんぐるハート1・2・3 DVD EDITION の方を
 
プレイしてそちらを元に書いています。後、私は とらいあんぐるハートに
 
シリーズ(特に3)異常な程に思い入れがあるので、かなり 感情的
 
なってます。まあ ラブラブおもちゃ箱 は とらいあんぐるハート 1 と
 
2 にどれだけの思い入れがあるかどうかで評価がガラッと変わる作品ですが。
 

総評
上でも少し書きましたが、この作品は とらいあんぐるハート 1 と 2 の
 
ファンデスクに近い作品ですので、必然的にそれらの作品に思い入れが
 
薄い人が買っても全く楽しめないと思います。内容も、ミニシナリオと
 
呼べるものが 2 つでトータル 5 時間ぐらいしかないですし。ですが
 
それぞれの作品に登場した人物達が、作品を越えてわいわいガヤガヤと
 
交流するのは見ていて楽しいですね。両作品で感じた、あったかくて
 
懐かしい雰囲気を再び楽しめたらもう細かい事なんて、どうでもよく
 
なってきますね。まあ、それは私が、両作品をそれだけ楽しんでプレイ
 
していたからと言う事ですけどね。そうじゃない人にとっては、おそらく
 
退屈な作品だと思います。

シナリオ
一応、設定としては両作品ともに各ヒロイン達の個別ルートを全て経験
 
していながらも、特定のヒロインと恋人関係になっていない、パラレル
 
ワールドと考えた方がいいですね。じゃないと色々と整合性が取れなく
 
なってきますので。さて、まずは 2 つミニシナリオの 1 つ。五月の雪に
 
ついて書きます。両作品の各ヒロイン達のお祝い事が重なり、どうせなら
 
派手にパーティーでもしようかと言った感じのノリで両作品の主人公と
 
各ヒロイン達が賑やかに交流する事になった矢先に、記憶喪失の少女が
 
現れてって言った感じで話が進みます。このシナリオのメインヒロインの
 
雪が他の濃過ぎるヒロイン達によって印象が薄くなるのは、もう仕方ない
 
です。個人的には雪の件の話よりも両作品の各ヒロイン達の交流の方が
 
印象的でしたね。特に印象に残ったのは七瀬の薫に対する感情ですね。
 
七瀬自身も薫は真面目で優しい子と理解していても、嫌いと言った後の
 
「あの子にはきっとわからない」「あたしは誰にも……救われたくなんて
 
ないから」これは主人公もそうですけど、私も何も言えなかったですね。
 
ある意味で薫の性格を的確に見抜いていますから。薫の信念は、簡単に
 
折れることはなく、祓う事で多くの人が救われる。だからこそ、自分が
 
嫌われても、辛くても祓う事が正しいと考えてる彼女を、七瀬が好きに
 
なれるわけはないですから。五月の雪はこれぐらいにして、次は、もう
 
一本のミニシナリオ。猫達の午後について書きます。こちらでは、なんと
 
とらいあんぐるハート 2 でそこそこ出ていた雄猫の次郎が主人公で雌猫の
 
小虎がヒロインと言うある意味で正気を疑う配役で話が進みます。ですが
 
これがまた短いながらも 素晴らしい シナリオだったんですよね。先代の
 
忘れ形見の小虎を立派なボス猫へと育て上げる。そんな思いを持ちながら
 
日々を過ごしていた雄猫の次郎とそんな次郎を慕う雌猫の小虎。二匹は
 
とあるアクシデントに巻き込まれ人の姿になってしまう所から、今回の
 
シナリオが始まります。自らの事情と先代への恩から、立派なボス猫と
 
なってそれに相応しい相手と一緒になって欲しいと願う次郎。そんな事
 
よりも次郎と一緒にいたい小虎。、次郎が自ら「死」と向き合い「命」を
 
諦めようとした時にかつて先代に救われたように、先代の忘れ形見である
 
小虎がその身をかけて、次郎に再び「命」のきっかけを与えた事により
 
二匹の交わらなかった想いはここに結ばれる訳です。それでも、次郎は
 
「命」を生み出せないはずだったんですが、リスティ曰く 奇跡 によって
 
それも乗り越えハッピーエンドで終わる。そんなシナリオでした。もう
 
次郎の過去話辺りからずっと胸が痛かったです。自ら「命」を生み出せ
 
ない自分よりも、もっと相応しい相手がいるはず。そう思って自らの
 
「命」を諦めようとした次郎。小虎を本当に大切に想っているからこそ
 
そう言った考えが出来る訳で。最後は幸せになってくれて良かったです。
 
不満があるとすれば、リスティが 奇跡 と言ったあの場面。確かに、物語
 
としては奇跡の方が美しいのかもしれませんが、私は 愛の力 と言って
 
欲しかったですね。何しろ二匹の 愛の力 で掴み取った結末ですので

グラフィック
とらいあんぐるハート 1 から少し時間が経過しているぐらいですけど
 
立ち絵の変化で とらいあんぐるハート 1 のヒロイン達は少し大人に
 
見えますね。特に小鳥は小学生から中学生ぐらいには、見えるように
 
なったんじゃないかと思います。逆に とらいあんぐるハート 2 の各
 
ヒロイン達に大きな変化が見られなかったのは少々残念ですね。まあ
 
愛や真雪にゆうひと十六夜は仕方ないとしても、知佳とリスティには
 
変化があったらよかったんですが。後、とらいあんぐるハート 2 の
 
主人公。槙原耕介に立ち絵があったのが個人的には一番驚きましたね。
 
あれはあれでよかったと思いますが。

音楽
やっぱり リフレイン は外せないでしょうね。本作のメインテーマと
 
言える物ですから。後は、ほとんど とらいあんぐるハート 1 と 2 で
 
使われていたものばかりですけど、だからこそ聴くと懐かしく感じるん
 
ですけどね。BGMなら Dear Friends や メインテーマ 2 などが
 
個人的なお気に入りですね。どちらも各作品でよく聞いたBGMなんで
 
思い入れがありますね。

キャラクター
実は純粋な追加キャラクターは雪だけなんですよね。なのにも関わらず
 
どうしても印象が薄くなったのは残念です。まあ、これはシナリオでも
 
書きましたけど、雪が悪い訳ではなく、他のヒロイン達が濃すぎて雪の
 
印象が霞んでしまうのが原因ですね。選択肢次第ではありますけど、私は
 
とらいあんぐるハート 1 ならさくらと七瀬が結構印象的でした。特に
 
さくらは更に可愛くなっていてさくらが好きな人なら、五月の雪自体を
 
黒歴史として封印してしまいそうなぐらいに可愛くなっていましたね。
 
ですが、私としてはやっぱり次郎と小虎をオススメしたいです。本当に
 
とらいあんぐるハート 2 の頃からは想像出来ないぐらい好きなキャラ
 
クターになりましたね。この微妙にかみ合わなかった二匹の行く末を
 
シナリオで見た時は心を揺さぶられました。二匹共、お互いを大切に
 
想っているからこそ次郎の気持ちも小虎の気持ちもよく分かります。
 
でも、最後は小虎が押し切ってあの結末へともっていきました。これは
 
シナリオでも書きましたけど、これは 奇跡 ではなく 愛の力 です。
 
そんな 2 人ならぬ二匹を好きになるのは必然と言うか当然の事ですね。

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